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back number 「瞬き」が人気曲になった理由とは?

 

「瞬き」は今までのback numberと一味違う!

 

back numberといえば、もう知らない人はいないというくらいメジャーなバンドの一つ。

 

そんなback numberが、昨年リリースした「瞬き」は爆発的な人気がありました。

 

8年越しの花嫁 奇跡の実話』の主題歌として、使われていたため、人気が出たというと考えられますが、まず注目して欲しいのは歌詞。「幸せとは〜〜〜だ」と言い切っています。

 

今までならば、あやふやな感じの主人公が登場して、あやふやなことを言っているという歌詞が多かったですが、今回は今までとはちょっと違いました。

 

とはいうものの、完全にback numberらしさがなくなった訳ではないです。この絶妙な歌詞のバランスは本当に凄すぎます。

 

そして、今回「瞬き」が爆発的な人気な曲となった理由は歌詞には止まりません。

 

ここでは違った視点から人気が出た理由を探っていきます。

 

「瞬き」のコード進行と「ハッピーエンド」

本項目では、「瞬き」のコード進行(サビのみ)と「ハッピーエンド」のコード進行(サビのみ)に着目しながら、人気となった理由を探っっていきます。

 

●「瞬き」

*サビ

A♭ B♭ Gm Cm7

Fm7 B♭7 E♭7 G

A♭ B♭ Gm Cm7

Fm7 B♭7 E♭7

Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm

Ⅱm7−Ⅴ7−Ⅰ7−Ⅲ

Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm

Ⅱm7−Ⅴ7−Ⅰ7

 

「瞬き」のコード進行はこのような感じです。着目してもらいたいのは「A♭ B♭ Gm Cm7(Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm)の部分です。これは、王道進行と呼ばれるかなりポピュラーなコード進行の1つです。これに注目しておいてください!

 

(音源)

 

ハッピーエンドのサビの部分のコードをピックアップしてみます。

 

●「ハッピーエンド」

*サビ

DM7-E-C#m7-C#7-

Fdim-F#m7-Bm7-E-

F#m7-C#sus4-C#

ⅣM7−Ⅴ−Ⅲm−Ⅲ7−

Ⅵdim−Ⅵm7−Ⅶm7−Ⅴ−

Ⅵm7−Ⅲsus4−Ⅲ

 

「ハッピーエンド」は、このような感じになっています。ここで、着目してほしいところは「DM7-E-C#m7-C#7(ⅣM7−Ⅴ−Ⅲm−Ⅲ7)」です。これも王道進行なんです!

 

このため、「瞬き」と「ハッピーエンド」の赤色部分は、実際に重ねて見ても、あまり大差がありません。

 

でも、よく見てみると「Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm」と「ⅣM7−Ⅴ−Ⅲm−Ⅲ7」の部分は少し違いがあります。しかし、どちらも「王道進行」と呼ばれるものです。

 

そもそも王道進行とは一体何なのかを簡単に見てみましょう!

 

コード進行のど定番

あらゆるものに定番というものは存在していますが、コード進行にも定番と呼ばれるものがあります。

 

その1つに「王道進行」と呼ばれるものがありますが、仕組みは、かなりシンプルです!

 

王道進行とは…?

厳密に王道進行と呼ばれるものと答えるならば、「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm」のこと。つまり、キー=Cとするならば、「F-G-Em-Am」ということです。

 

ここで、ポイントになるのは「F(Ⅳ)」と「Am(Ⅵ)」です。

 

「F(Ⅳ)」とはサブドミナント(SD)と呼ばれる、不安定な音とされています

 

(音源)

 

それとは、対照的に「Am(Ⅵ)」はトニック(トニック継投の音)と呼ばれる音で、安定感があります。

 

コード進行ではできるだけ、安定した型で終わりたい、終わらせたいというものが多いです。また、このコード進行を使うことで、聞いていてスッキリした印象を持たせることができます。

 

実際に音源を聞いていただくと分かりやすいかと思います。もちろん、実際にきいてみると、意外と違ったように(「スッキリ」していない)聞こえるかもしれません。

 

話が少し逸れてしまいましたが、「王道進行」で重要な事は「トニックで終わっていること」です。

 

「瞬き」は文句なしに「王道進行」と呼ばれるものです。「ハッピーエンド」のコードでおかしいと感じてしまう理由は「Ⅲ7」の音です。

 

しかし、実は「Ⅲ7」の音は、「Am(Ⅵ)」と同じでトニック(トニック系統の音)です。そのため、これも一種の「王道進行」ということができそうです。

 

以下では、他の曲と照らし合わせてみます!

 

「瞬き」と「ロビンソン」と「Everything」

●「瞬き」

*サビ

A♭ B♭ Gm Cm7

Fm7 B♭7 E♭7 G

A♭ B♭ Gm Cm7

Fm7 B♭7 E♭7

Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm

Ⅱm7−Ⅴ7−Ⅰ7−Ⅲ

Ⅳ−Ⅴ−Ⅲm−Ⅵm

Ⅱm7−Ⅴ7−Ⅰ7

 

*「ロビンソン」(サビ)

D-E-C7-Fm-E-Cm7

D-E-C7-Fm-E-Fm

Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅴ-Ⅲm7

Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ7-Ⅵm-Ⅴ-Ⅵm

 

*「Everything」(MISIA

D♭-A♭-B♭m7-A♭m6

D♭7-G♭M7-A♭-Fm7-E7-B♭7

Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm7-Ⅴm6

Ⅰ7-ⅣM7-Ⅴ-Ⅲm7-Ⅱ7-Ⅵ7

 

「ロビンソン」と「Everything」のサビのコードはこのようになっています。注目してもらいたいのは、「ロビンソン」ならば、「Ⅳ-Ⅴ-Ⅲ7-Ⅵm」の部分。「Everything」ならば、「ⅣM7-Ⅴ-Ⅲm7-Ⅱ7-Ⅵ7」の部分。「Everything」に関しては、作曲家である富田恵一さんのアレンジが加わっています。その部分は、「Ⅱ7」の部分です。

 

(音源)

 

このように名曲となる所以はコードに隠れていることが多いです。名曲と言われる理由には様々なことが考えられますが、コード進行は、名曲となるためには必要な要素です。

 

「瞬き」も意図的か偶然か、こうした人気曲のコード進行を使っており、それに加えて、清水さんの独特な詩が組み合わさったことで、爆発的な人気へと繋がったのかもしれません。